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   西田 亙の本:GNU 開発ツール -- hello.c から a.out が誕生するまで --

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2006-08-19 (Sat)

[Publish] GNU開発ツール・予約受付開始

校正、校正、ひたすら校正・・

机いっぱいの原稿 最終の校正作業が無事お盆明けに完了しました。GNU 開発ツールは全8章から構成されており、校正中の原稿を机の上に並べると、右の通り。

通常の連載原稿は、著者校正1回ですし、ページ数も多くて20ページ程度ですから、お気に入りの珈琲屋さんで、おいしいコーヒーを飲みながら優雅に朱を入れることができます。なんとも言えない、贅沢なひとときなのですが、書籍となると一転して、地獄の行軍にも等しい作業となります。

校正済み原稿 今回は最終の念校まで、計7回の校正を行いました。集中すれば、2〜3回で終わりそうなものなのですが、仕上がってくる原稿を章ごとに校正する時と、最後に全体を見渡しながら校正する時とでは、チェックポイントがことなるため、毎回毎回かなりの朱が入ります。

夜の間に出力原稿をどっさりと受け取り、朝方までかかって校正を1ページ1ページ行います。誤植は当然のことながら、表現の拙いところは書き換え、より分かりやすい文章に磨き込んでいきます。今回は自費出版ですから、編集者によるチェックは一切ありません。校正はすべて私一人の責任において行われます。誰にも頼ることのできない孤独な作業ですが、かえって集中力と緊張感が高まり、結果的には良かったと思っています。

睡魔が襲ってくるとコーヒーを飲んだり、1〜2時間仮眠を取って、さらに推敲を続けます。耳元では「もう十分だろう」と悪魔が囁きますが、ここで手を抜くと間違いなくミスが発生してしまいます。

校正チェック中 修正箇所に付箋をはりつけ、翌日の朝、妻に校正済み原稿を明星企画へ届けてもらいます。日中に坂本さんが修正を施し、夜になるとふたたび校正。輪廻のごとき作業が続きます。

幸い、明星企画は自宅から車で10分もかからないご近所だったので、限られた時間内に納得行くまで校正を行うことができました。もしも、東京の会社と宅急便で原稿をやり取りしていたのでは、ここまで徹底した校正作業は不可能だったでしょう。度重なる校正に快く応じてくださった、明星企画の坂本さんに心から感謝致します。

MOKUBA のリボン

MOKUBA ショールーム 怒濤のレイアウト&校正作業が進んでいる中、東京に出張していた妻が、きれいな2本のリボンを持ち帰りました。妻曰く、「この MOKUBA のリボン、本のしおり紐にどうかしら?」。

木馬は東京に本社をおくリボン専門メーカー。MOKUBA ブランドは、ファッションやラッピングなど、世界の高級リボン市場の大半を占めています。

妻によると、その MOKUBA のショールームを訪ねた際、2本のリボンが目に止まったのだとか。「今回出版する本のしおり紐にピッタリ!」という訳です。

白いスピン

スピンの選定 しおり紐のことを印刷業界の用語で "スピン" と呼びます。一般的に使われている、平べったいヒョロヒョロの紐は、今回の本のイメージにはそぐわなかったので、当初スピンは使わない予定でした。

ところが、妻が持ち帰った白とシルバーの細身のリボンは、さすがに質感が違いました。「これはオシャレ、しかも品がある!」と、一目惚れ。

早速、製本業者さんにこのリボンをスピンとして使えるかどうか、確認を取ったところ返事はOK。スタッフ全員で相談した結果、白のリボンをスピンとして使うことになりました。MOKUBA のリボンがしおりに付いている本は、世界広しと言えども、"GNU 開発ツール" が初めてかもしれません。

ちなみに、スピンの長さはこのように "対角線+数cm" と決まっています。

予約受付開始

原稿も完成、装丁も決定し、昨日夜から印刷が開始されました。週明けには製本がはじまり、9月1日に発送の予定です。GNU 開発ツールの総ページ数は 220 ページ。目次はこちらからご覧になれます。

書籍の値段は、税込みで4,500円となっております。本書が店頭に並ぶのは、フラワーショップ「ペルラ・プラディオ」(愛媛県松山市)だけであり、店頭購入以外の場合は、クロネコヤマトもしくは郵便冊子小包による代引きをお願いしております。

本書は上製本であり、一冊ずつ手作業で製作されるため、初版本は数に限りがあります。本日より、予約受付をこちらで開始しました。内容の詳細については、引き続き当サイト上でご紹介していく予定です。